妻ママブログ

妊娠・出産・育児を中心に書いています。2014年に入籍。2015年に妊娠&退職(看護師)。2016年5月に33歳で男児を出産しました。

怖くて読めなかった石井光太の「鬼畜」の家をようやく読んだ

赤ちゃんや幼児をリンチして殺す状況とは

私はテレビをほとんど見ないので、

ニュースはネットで流れてくるものしか知りません。

なので、そんなに得ている情報量は多くないはずなのに、

「虐待死」のニュースがやたら目にとまります。

虐待の内容を知って

衝撃、恐怖、無念さ、悲しさを感じるとともに、

なんで

親は死刑にならないんだ?

どうして

刑期がそんなに短いんだ?

虐待の裁き方にも疑問が拭えません。

頭にずっと残っている事件

虐待されて亡くなった子の画像を見ると

やり切れない気持ちになります。

  • 厚木市幼児(5歳)餓死白骨化事件(被告懲役19年)
  • 狭山市の3歳女児虐待死事件(被告懲役13年)

のニュースで、

メロンパンマンのぬいぐるみ(?)を抱えてあどけない顔で写真にうつっている

理玖くん、

体をこわばらせて正座しうつむいている写真の

羽月ちゃん

が、脳裏に焼き付いています。

そして裁判のあり方に大きな疑問を感じた

  • 渋谷の赤ちゃん(生後3ヶ月)傷害致死事件(被告無罪)裁判長:家令和典

を、ふとした時に思い出します。

他にも母親の彼氏からの虐待が怖くて

1人で電車に乗っておじぃちゃんちに

行こうとするけど、

駅で迷ってまた保護され、家に戻され、

虐待死した4歳の男の子の事件もありましたね…

その子は道中、たくさん泣いてもいいように

リュックにティッシュをいっぱい詰め込んでいたんですよね…。

もうたくさんたくさん

辛い現実があります。

ニュースやキュレーションサイトだけでは

虐待の背景が良く分かりません。

その辺りを知りたくなり、

石井光太 著「鬼畜」の家を読みました。

虐待死事件のルポ

「鬼畜」の家では3つの事件のルポがあります。

厚木市の事件と、

下田市嬰児連続殺害事件、

足立区ウサギ用ゲージ監禁虐待死事件です。

渋谷の事件もエピローグで触れられています。

ページをめくるのが辛くなるほど、

ぐちゃぐちゃな生き方、育て方でした。

被告自身がとんでもない家庭環境で育っており、

人格形成・思考パターンが破綻しています。

虐待死事件は

起こるべくして起き、

被告の更生はほぼ不可能だとしか思えません。

ジワジワとじっくり形成された虐待を惹起する人格を、

短い刑期で矯正できるって、

どんな奇跡を信じているの?

甘すぎるとしか思えない。

償うという発想をもてない人にとって、

そもそも懲役に意味があるのか

も怪しい。

なんの罪もないこどもを

非道な方法で殺しているのに、

裁くことすら無意味に思え、

失望しました。

視力を失ったように真っ暗になりました。

それくらい虐待は根が深く、

赤ちゃんポストや養子制度の社会的認知は

絶対に必要だと思いました。

親になってはいけない人がいるということ、

親になりたくてもなれない人がいるということ、

から目を背けてはいけないと思います。

「赤ちゃんポストを増やせば、無責任に子供をすてる親が増えるから反対!!」

という意見もあるようですが、

それは、「無責任の根源」への理解が浅いのだと思います。

残念ながら、

無責任に命を産む男女は今のままでは減らないと思います。

無責任な親の親の親の親の親の親……からやり直さなければ、

何も変わらないんだと痛感しました。

ならば、

子供を救いだし(負の連鎖を絶つ)、

無責任に命を産んだり

殺したりするような

歪んだ感覚・人格を受け継がせないことが、

将来につながると思いました。

そういった意味では、虐待を

「よそのこと」「家のこと」として蓋をしてきた

日本の社会にも重大な責任があり、

家庭という密室で暴力の連鎖が止められるはずがないことを、

もう無視してはいけないと思います。

潜在的な数も含めて、

日本には虐待されている子供たちが

4万人以上いるそうです。

参考(厚木市、狭山市、渋谷の事件概要)

厚木市幼児(5歳)餓死白骨化事件(被告懲役19年)について

理玖くんは雨戸が閉まったままの暗い部屋で3歳から亡くなるまで2年と3ヶ月、電気・水道・ガスの止まったゴミ屋敷(悪臭充満・虫が這い回っていた)で放置され餓死した上、7年間そのままにされた(父親は児童手当を不正受給)。

父親が出勤の際は、真っ暗な和室に閉じ込められ引き戸に粘着テープで目張りをして外に出られないようにされていた(母親は育児放棄し家出している)。

理玖くんは1人、暗い部屋の中で汚れた布団に座って過ごした。徐々に動けなくなっていった。

父親は恋人ができると、家に帰らなくなっていった。食事はコンビニのパンやオニギリだったが、1週間以上与えられなくなっていった。更には理玖くんは自分で開封できないのに、それらやペットボトルを置かれるだけになった。

オムツ交換は1日1回で、体を拭いてもらえるのはたまにだった。父親が帰らなくなってからは、そういったこともされなくなった。

理玖くんは吐息が白くなるほど寒い部屋で、オムツとたった1枚のTシャツを身につけた姿でうずくまるようにして息絶えた。

父親は自分が殺したとは思っていないし、フツーに面倒を見ていたとしている。

 

狭山市の3歳女児虐待事件(被告懲役13年)について

羽月ちゃんは母親の連れ子にあたる。母親と義理の父親(母親とは内縁関係)は虐待の内容をラインで打ち合わせていた。

虐待した理由は元夫に似ているから。

食事は1週間に2日。

何時間も正座(動いたらビンタ)。

突然暴力を振るう。

後ろ手にしばり、猿ぐつわしたり口に布をつめる。

ロープや鎖で縛る。

顔に熱湯をかける(重度熱傷で皮膚がはがれていたが放置、敗血症で亡くなる)。

裸にして冷水シャワーをかけ真冬の風呂場に放置。

土下座して謝らせる。

歯ブラシを無理やり口に突っ込み、口の中をボロボロにする。

ゴミ箱を漁って食べ物を探させ、その様子を見て楽しんでいた。

トイレや押入れに閉じ込める。

夜中に家の外に出す。

渋谷の赤ちゃん(生後3ヶ月)傷害致死事件(被告無罪)について

母親は19歳で父親の分からない子供を出産する(風俗勤務)。

産後は実家に戻ったが1ヶ月で仲違いし、赤ちゃんを連れて家出。渋谷の風俗へと戻る。

自分は風俗で働くため、JKリフレの17歳の少女2人に赤ちゃんを預ける。

赤ちゃんは危険ドラッグとタバコの煙が充満する男女の部屋に置き去りにされる。

17歳の少女たちに育児ができるはずもなく、危険ドラッグの勢いも加わり、凄惨な虐待が始まった。

殴る蹴るの暴行、顔を浴室の水に沈める、水風呂に入れる、口や鼻に指を突っ込む。あまりの激しさから呼吸が止まったが、人工呼吸で蘇生し虐待を続ける。

虐待の様子をチェキで撮影していた。

オムツは替えていなかった。

ミルクではなく炭酸水を与えていた(そもそも粉ミルクや哺乳瓶すら置いてなく、電気代未払いのためお湯すら沸かせなかった)。

首を締める等の虐待の理由は「エクスタシーを感じたから」。

泣いてうるさいので、ガーゼや自分たちの足で失神するまで口をふさいだ。

ひも状のもので首をしめた。

母親は裁判中でも飲みに出かけDJをし、判決の日には「今すぐポッキー買いにいきたい!でも寒い」とツイート。

チェキや少女らの証言はあるのに、密室であり証拠不十分ということで全員無罪放免。判決には疑問の声が上がっている。裁判長:家令和典

リンク(石井光太著「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち)

「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち

「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち

 

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