育児書「あやす・あそぶ」を読んだ感想(育児の予習)
内容
さらっと読むと、ただの「わらべうた保育推進」と思われてしまいそうな内容です。著者の思い入れは、確かに「わらべうたを多用した赤ちゃんへの関わり」に深くあります。しかし、この本の本質は赤ちゃんが好きな環境・赤ちゃんが心地よいと感じる音・赤ちゃんが嬉しいと感じる反応を理解し、赤ちゃんと遊べる「賢い大人」のあり方を示唆するところにあると感じました。
発見と学べること(本当の早期教育とは)
この本では、ポルトマンという学者が唱えた「生理的早産」の見地から、人間の赤ちゃんを捉えています。人間の赤ちゃんが動物の赤ちゃんと違い、生まれてすぐ立てないのは何故か、他人に依存しないと生きていけないのは何故か…そこから赤ちゃんという存在を学んでほしいという願いを感じました。
赤ちゃんとの遊びやあやし方(向き合う・見つめ合う・言葉をかける等)を、発達段階(月齢)に適した方法で提供することが、本当の意味での早期教育だと教えられます。
基本的な赤ちゃんへの関わり
- 静かな環境で、しっかり見つめ、ゆっくりしたリズムで話しかける(テレビは消す)
- まずは、赤ちゃんをじっくり観察(何を聞きたがり、見たがり、やりたがっているのか)
- 赤ちゃんをだっこして優しい表情で見つめる(見つめあえる人からは、安心して人との関わりを学ぶ事ができる)
- 赤ちゃんに関わる人がまず「いいお顔(笑顔)」であること=赤ちゃんの世話をする人たち同士の良い関係が大事
- 赤ちゃんは「(音を)選んで聞く」ことができないため、大勢で一斉に話しかけたり、テレビのついた部屋にいると、疲れてしまう(一方的な音は「うるさい音」でしかなく、すべての音を拒絶するようになってしまう。その結果、人の話を聞けなくなったり、おしゃべりができるまで時間がかかったりしてしまう)
- 赤ちゃんに見つめられたら見つめかえす、話しかけられたら話しかえす、笑いかけられたら、笑い返す(しらんぷりしない)
- 赤ちゃんは歌うように語りかけられると嬉しい(「いいこ、いいこ」と淡々と言うより「いい子だなぁ~い~いこだなぁ~♪」という感じ)
- CDではなく肉声を聞かせてあげると赤ちゃんは嬉しい(機会の音は聞き飽きる)
- 余裕がないときほど、赤ちゃんに歌ってあげる(親の余裕がなくなると赤ちゃんの余裕もなくなる)
- 幼児音(「おむチュ」や「◯◯でチュ」など)は、あまり良くない。幼児語(ワンワン、ニャンニャンなど)は良い。(日本語を学ぶという観点で)
- 五感を通して言葉を伝える(外に出たら「おそとにでたよ」鳥の鳴き声がしたら「鳥がいるよ」授乳しながら「おっぱいだよ」など)
書籍の紹介
あやす・あそぶ〈1〉首のすわるころまで (人と人とのかかわりを育てる・赤ちゃん編)
- 作者: 藤田浩子,保坂あけみ
- 出版社/メーカー: 一声社
- 発売日: 2003/03
- メディア: 単行本
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