妻ママブログ

妊娠・出産・育児を中心に書いています。2014年に入籍。2015年に妊娠&退職(看護師)。2016年5月に33歳で男児を出産しました。

里帰り出産はしない理由

私は九州の出身ですが、関東出身の夫と関東で出逢い、関東で生活しています。九州人は故郷愛の深い人が多く、「結婚するなら九州に住んでいる人」「(上京者でも)いずれ九州に帰れるよう転職する」「上京先で結婚したけど、伴侶は九州出身者」という人が男女ともに多いです(そもそも就職で九州から出る人は少なめです)。

私も故郷はもちろん好きですが、生活拠点としての執着はありません。むしろ国内外問わず色んな所に身を置いてみたいなぁという冒険心が勝ります。

大学は両親の希望に添い九州の国立大を出ましたが、就職は自分の希望で大阪の総合病院にしました。私はキャリア志向が強かったので精力的に働きましたが、管理職を2年経験した8年目であっさり退職しました。その後関東に引っ越して現在に至ります。

退職を決めたのも関東に来たのも「関東は楽しそうだなぁ〜暮らしを変えたいなぁ。そうだ、引っ越しちゃえ!」という、冒険心だけです。たまたま興味の矛先が関東だっただけです。アフリカならアフリカに行っていたと思います。

そんな私は結婚する時、一部の九州在住の友人から「九州に帰れないパターンだね」と可哀想がられた経験があります。その場では同調しましたが、出身地で生き方・付き合う相手を一括りにする感覚に、私は懐疑的な違和感があります。なにより故郷をないがしろにした結婚、と少なからず判断されたようで悲しかったです。
同郷のいいコミュニティを築くには、同郷の絆を大切にする一方で、それぞれが外に向かって開かれた人間関係を作っていく事も大切だと思います。それを伝え難い人とは、自然と疎遠になりました。
 
「出産」というイベントも「結婚」と同じような感覚の人が多いです。妊娠を報告してからは「里帰りしないの?」と必ず聞かれました。母親や母方の親戚からは里帰り出産を勧められました。
私は高校を卒業してから親元を離れていますし、高齢の祖母には早く孫を抱かせてあげたい気持ちもあるので、親孝行のつもりで里帰りをするか一瞬迷いましたが、最初から決めていた通り、しないと伝えました。
 
すると、産後の助けがないのがいかに大変かを説かれました(想定内)。産後無理をすると更年期が大変だとか、将来婦人科系の病気になるとか、一生体調不良になる等と吹き込まれました(笑)。産後の肥立ちを考えていないわけではないのですが、断固NOを貫いたので、最後には「何かあったら必ず連絡してね!」と折れてくれました。
 
里帰り出産なら上げ膳据え膳で、ぬくぬくと守られ体も休まることは、妊婦である私が1番承知しているつもりです。しかし私が里帰り出産を不要とする理由はいくつかあって…
 
  • 夫の立会分娩を希望している
  • そもそも産後に無理をするつもりはない(家事放棄する気満々)
  • 里帰り出産の習慣があるのは日本だけ
  • 貴重な新生児期の思い出は親ではなく夫と共有したい
  • 夫と離れて暮らすのが耐えられない
  • あれこれ世話されるより自分のペースを守りたい
  • 実家だとデブまっしぐらになりそう
  • 赤ちゃんにとっても父親との早期接触が好ましいのではないか
  • 里帰りの準備や産院決定が煩わしい(余計な仕事)
  • 初孫になるので赤ちゃんをおもちゃにされそうでヒヤヒヤする

などです。親孝行の方法なら里帰り出産に限らずいくつでもありますし、産後の生活管理ならユルユルとやって、育児スキルもそのうち確立していこうと思います。

夫が産褥期(6〜8週間)の間に育休を取得できたら嬉しいなぁと思うのですが、なかなか叶わないのだろうと思うと、まだまだ日本は貧相な国だなぁ…と哲学的な事を考えてしまいます。

赤ちゃんの成長を自分の感性で知り、驚いたり喜びながら暮らす権利は、「親になった男性」にも与えられるべきではないかと思います。親だからこそ味わえる「経験」そのものは、私から夫へ与えることはできません。

赤ちゃんからは大人の世界とは違う、価値観・時間・コミュニケーション・自己肯定感・達成感も学べると思います。それが人間的な豊かさをもたらしてくれるのなら、日本の経済や文化にも悪い影響ばかりじゃないと思うのですが…。

どなたか「男性の育休取得に伴うキャリア形成及び経済動向と死生観の質的変動」について、大規模に研究してくれないかなぁと思います(笑)。